ビートルズは『ヘイ・ジュード』で何回「ヘイ・ジュード」と歌ったか
はじめに
ビートルズに『ヘイ・ジュード』という曲がある。作詞作曲はレノン=マッカートニー。左脳にジョン・レノン、右脳にポール・マッカートニーの頭脳を移植された人間が書いた曲だ。ここだけの秘密にしといてください。
聴いたことのある人は知っているだろうけど、この曲の後半でビートルズは「ラーラーラー、ラララッラー、ラララッラー、ヘーイ、ジュード」と繰り返し歌っている。それも7分あるこの曲のうち、4分以上使って延々と「ラーラーラー、ラララッラー、ラララッラー、ヘーイ、ジュード」と歌っているのだ。長いよ。それでも聴き手を飽きさせないのがビートルズのすごいところだと思うけど、歌っているほうは飽きるんじゃないか。余計なお世話か。
彼らが歌う「へイ・ジュード」とは一体いかなる意味か。それは当時、ビートルズが曲のレコーディングをしていたスタジオの近所に、イギリスに移住してきた日本人武闘家が設立した柔道の道場があって、そこで修行する門下生たちが毎日近くを柔道着を着ながらランニングをしていて、その光景を見たポール・マッカートニーが彼らに「ヘイ、ジュードウ!」と声をかけたのがこの曲の元ネタになったと言われておりまする。
嘘だ。なんでそんな長々と意味のない嘘をつくかな。つく必要のない嘘をついてばっかりいると、本当のことを言っているのか冗談を言っているのかが判断できなくて相手が困惑してしまうので、気をつけてね。
中学校のときに「ティッシュの名前って、イタリア人がくしゃみをしたときに近くにあった紙で『チィケッ』と声に出して鼻をかんだのが語源なんだぜ」と無意味な嘘をついたナカムラ君、君のことだぞ。
さて、こうやって何度も「ヘイ・ジュード」と歌われていると、いったい曲の再生中、何度そのフレーズを口にしているのか気になってしまう。
そこで数えました。「ヘイ・ジュード」のなかで何度「ヘイ・ジュード」と歌われたのか。その調査に意味はあるのかって、ないよそんなの。このサイトに有益な情報を求めないでほしい。
本題
さっきも言ったように、『ヘイ・ジュード』の再生時間は7分ある。正確に言えば、7分と11秒。『1』というベストアルバムではなぜかちょっと短くなっていて再生時間が7分9秒になっている。なぜ短くなっているのかは知らない。この記事では7分11秒バージョン、一般的にイレブンバージョンと呼ばれるほうでカウントする。
イレブンバージョンってなに、聞いたことない、というビートルマニアのみなさん、そりゃそうだ。だって今おれが勝手に名付けたんだもん。これこれ。
↓これはイレブンバージョンが聴けるベストアルバム。
The Beatles 1967 - 1970 (Remastered)
- アーティスト: ザ・ビートルズ
- 出版社/メーカー: EMI Catalogue
- 発売日: 2016/01/15
- メディア: MP3 ダウンロード
- この商品を含むブログを見る
↓こっちは短縮されたナインバージョン(今おれが名付けた) が収録されている。気をつけてね。
ちなみに記事の冒頭に張り付けたMVのバージョンはこの2つのバージョンよりちょっと長い。ややこしいのお。
とりあえずめんどくさいバージョン違いの話はいったん忘れてもらって、曲自体の話に戻す。
この曲の最初の3分はポール・マッカートニーがソロで歌う。途中から他のメンバーによるコーラスが入るけどね。ここでも「ヘイ・ジュード」とポールは歌ってるので、ここもカウントした。
前半の3分でポール・マッカートニーが「ヘイ・ジュード」と歌ったのは7回でした。こんなの、歌詞カード見れば一発で分かるんだけどね。それでも、いちおう入れておきました。
さあ本題の後半のコーラス部分。この部分は歌詞カードに載っていなかった。考えてみれば当然の話なんだけどね。
「ラーラーラー、ラララッラー、ラララッラー、ヘーイ、ジュード」を1セット、いや1ジュードとしてカウントしました。ジュードって、ジュールみたいだねえ。熱量の単位だったはずです。
しかし聞きながら数えている途中、何度か数え間違えをしているんじゃないかと不安になってしまったね。ふつう音楽というものは受け身でぼんやりと聴くもので、そんな真剣にまじまじと聴くもんじゃない。僕の場合はね。ましてや洋楽だから、何言ってるか分かんないし。
だから意識がぼんやり方面に行ってしまいそうになると、「今ちゃんと数えてたか!?」とものすごく不安になってしまう。数えなおそうにも、だいぶ長い曲だから、なかなか大変だし、いくらいい曲でも仕事で聴こうとするとあんまり楽しくないし。べつに仕事でも何でもないけどさ。
それでも何度か聴いて平均値を出しました。いや、聴くたびに流れる回数が変わるわけがないんだから、平均値じゃないんだけどね。変わってたらそれはおれの数え間違いか、曲を流しているiPhone7くんに変な妖怪が憑いているかのどちらかだ。妖怪カズカエ~ル、妖怪ウォッチに出てましたね。
なんでまた妙な嘘をつくかな。
無駄話も終わったところで結果発表です。じゃじゃーん。
『ヘイ・ジュード』の後半4分2秒のコーラスで「ラーラーラー、ラララッラー、ラララッラー、ヘーイ、ジュード」は18ジュード流れました。正確に言えば、曲がフェードアウトするときに1回目の「ラララッラー」のあたりまでかろうじて聴こえたので、正確には18.5ジュードです。0.5は目分量で決めました。前半のソロを足すと25.5ジュード。5、5と同じ数が連続してちょっと嬉しいんですけど、分かりますかね。分からなくてもいいです。
4分2秒に18.5ジュード、思ったより少ないなというのが僕の感想です。もうちょい多いと思ってた。
せっかくなので1ジュード何秒かも調べてみる。4分2秒ということは秒に直すと242秒で、242を18.6でかけると、4477、うひゃあ、大きい数だあ。
なんでかけるんだよ、割るんだよ。242を18.5で割ると13.08。ほんとは08の下に小数点がずらっと並んでいるのだけれど、めんどくさいので省略します。そんなの書きたくない。
つまりこれは1ジュードあたり約13秒ということで、1分をジュードに直すと60割る13で4.6(以下の位は省略)ジュードになるわけだ。どうだ。どうだって言われてもねえ。
なにか1ジュードである13秒にまつわるものはないかと調べてみた。するとこんな記事があった。
この記事の通り、8月にポルトガルで行われたサッカーの試合で、試合開始からたった13秒でオウンゴールをキメてしまうという事件があったそうな。
簡単に説明すると、試合開始直後、ボールを支配していたチームが相手チームからずりずりと後ろへ追いやられて、ディフェンダーがいったんゴールキーパーにパスして、キーパーがディフェンダーにボールを戻し、またディフェンダーにリターンパスをするも、キーパーがボールを蹴り損ねて、そのままボールがゴールに入ってしまったのだ。わずか1ジュードのあいだに起こった出来事である。
ビートルズが「ラーラーラー、ラララッラー、ヘーイ、ジュード」と楽しく歌っている間に、地球の遥か彼方ポルトガルではこんな残念としかいいようのない悲劇が起こっていたのだねえ。ジョン・レノンも草葉の陰で呆れてると思うよ。
ずいぶんと話があっちこっちに飛びまくったなあ。ま、人生そんなもんです。あろーんぐ、あんど、わいでぃんぐ、ろーど。ちゃーちゃー、ちゃーちゃー、ちゃーん。
それが言いたかっただけだよね。
結論
イレブンバージョンの場合、『ヘイ・ジュード』のコーラス部分でビートルズは18.5ジュード歌った。前半のソロ部分を合わせれば25.5ジュード。
ちなみに1ジュードは約13秒。これはナインバージョンも同じと思われる。
ジャンプ読者は全員ワンピースを読んでいるのか?
はじめに
週刊少年ジャンプに『ONE PIECE』という海賊が主人公の漫画が連載されている。連載開始が1997年の7月らしいので、今年で連載22年になるという事だ。長い。ちなみに同じくジャンプで『アクタージュ』という女優の漫画の作画担当をしている宇佐崎しろ先生は、ワンピースと同い年らしい。つまり現役作家がこれまで生きてきた年月と同じくらい、ワンピースという漫画は続いているのだ。ホントに長いな、しかし。
22年も続いていて、その上単行本も累計数億部、1巻出ることに150万だか200万部も出ているとなると、連載終了した時は大騒動になるだろうなあ。たぶんドラゴンボールが連載終了した時と同じくらいの騒ぎになるだろうなあ。あの頃は大変じゃったなあ、ってキミはバリバリの21世紀生まれでしょうが。ドラゴンボールが終わった頃はまだ生まれておらんよ。
ちなみに僕は1年くらい前からジャンプの購読を始めたが、ワンピースは殆ど、というかぜんっぜん読んでないっす。興味が無いわけではないが、今から既刊92巻分を読むというのは中々難しい。というかムリだ。家に8巻まで置いてあるヒロアカ(妹所有)でさえも碌に読めていない現状、この上さらにワンピース92巻分と単行本未掲載分を読めえと言ってくるのはムチャな注文だ。いくら面白い漫画とはいえ、100巻近く読むのは経済的にも肉体的にも精神的にも苦しい。
こんな体たらくではあるが、なぜか映画版を一本観たことがある。たしかナミが悪い海賊に誘拐されて、彼女を麦わらの一味が助けに行くという話だ。小学生時代の夏休みに、妹とテレビで録画したものを何度も観た覚えがある。小学生時代の夏休みは、毎日この映画と、年末に録画したガキ使を妹と一緒に延々と見ていたなあ。たしか笑ってはいけないスパイ24時だったと思う。
ただまあ映画一本観ただけで、ワンピース全体のストーリーが把握できている訳がない。当然だ、原作はドラえもんやクレヨンしんちゃんみたいな一話完結の話ではないのである。僕がワンピースのストーリーについて知っているのは「ルフィが海賊王を目指す」ということくらいだ。ポケモンのアニメのオープニングでサトシが「俺はマサラタウンのサトシ、夢はポケモンマスターになること!」と言ってるみたいに、ルフィも「俺はフーシャ村のルフィ、夢は海賊王になること!」と言っているのだろうか。というかルフィの出身地、フーシャ村というのね。いま調べて初めて知ったよ。フーシャ村、風車でもあるのだろうか。
ストーリーに関してはこのくらいの認知度だが、流石に麦わらの一味の名前くらいは知ってる。ええと、ムサシにコジロウ、ニャースにボスのサカキ様だ。
ルフィにナミ、サンジ、ゾロ、ウソップ、ブルック、ロビン、あと鹿。それで彼らが乗るのはニャースの気球。って、いつまでキミはポケモンの話をしとるのだね。そういえば一時期ロケット団がシリアスな雰囲気で黒っぽい衣装をしてたときがあったけど、あれは何だったんだろう。今する話ではないよね。早くワンピースの話に戻りなさい。
彼らが乗るのはサウザンドサニー号、日本語で千の太陽。たぶん。そういえば昔、お台場のフジテレビ本社の庭にこの船が展示されてたよね。僕は別に見に行ったわけじゃないけど、テレビで紹介されているのを見て、すんごく見に行きたくなった思い出がある。ワンピースなんて漫画はおろか、アニメもろくに見たことが無いのに、なんでだろう。
ただまあ地方で暮らしている身なので、当然お台場に行って、サニー号を見ることは無かった。お台場に行ったのは中学生の時に修学旅行で行ったときだけだった。確か藩の、じゃなくて班の自由行動でフジテレビとかダイバーシティとかジョイポリスとかを回ったんじゃなかったかな。ジョイポリスで逆転裁判のアトラクションをした覚えがあるよオレ。
ああ、思い出した。これはフジテレビの本社へ行った時の話だけど、見学者向けの展示コーナーに『トリビアの泉』の押すと「へぇ~」とおなじみの声が出るボタンとかが置いてあったのだけど、一番面白かった展示がボタンを押すと、「事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起こっているんだ!」とか「どうして現場に血が流れるんだ!」と箱の中から『踊る大捜査線』の織田裕二が喋る展示だった。いや、別に織田裕二の声は箱についているスピーカーから出てくるんであって、実際に織田裕二が箱の中に入っていて、そこから喋ってくるわけではない。織田裕二を箱に閉じ込めてはいけません。
ええと、何の話だったっけ。修学旅行中にクラスメイトの女子に恋した話だったっけ。違うよ、ワンピースだよ。なんでオレは中学生時代の修学旅行の話をしているんだよ。
さっきも書いたが、ワンピースの連載が始まってから今年で22年だそうだ。しかしそこまでの長期連載となると、一体どれだけのジャンプ読者がワンピースについてこれているのだろうか。僕の様に、ぜんぜん読めていないという人も多いかもしれない。というわけでジャンプ読者のワンピース購読率に関する調査をした。ようやく本題に入ったよ、長い前置きだねえ。
本題
ジャンプ読者のワンピース購読率はどのくらいか。Twitterのアンケート機能で統計を取った。幸いにもうちのフォロワーにはジャンプ読者が多い、というか殆どがジャンプ読者なのでまあまあ投票数は採れた。125票。もうちょっとリツイートで拡散してくれたらもっと多く票が採れたのになあ。そういうことを言ってはいけません。
アンケートをするにあたって、二通りのアンケートを採った。まず一つ目は「あなたはワンピースを読んでいるのか」という調査。ただ「読んでいる」と「読んでいない」の2パターンだけだとなんだか味気ないので、少し細かく選択肢を作った。味気ないって、アンケートに対する感情じゃないよね。
ではひとつめのアンケートの内容と結果発表をどーん。
【アンケート①】
— スズキ (@suzuki_chan64) 2019年6月4日
週刊少年ジャンプの漫画、『ONE PIECE』をあなたはどのくらい読んでいますか?
ジャンプ読者の方を対象としたアンケートなので、ジャンプ読者でない(かつ単行本で読んでいるわけでもない)方は、無回答で構いません
はい。以上。いや、以上じゃないが。
この結果から見るに45%、だいたい全体のうち60人強がワンピースを全話読んでいることが判明した。ホントかね。おいおい。いや、だけど最新号の発売日の朝5時からジャンプを読んでその感想をTwitterで書いている人たちなので、真実味満点だ。疑うなよ。
だけど残りの55%はワンピースを読んでいない、もしくは読んでいても全ての話を読んでいるわけではないということだ。最初の予想ではワンピースを全話読んでいるジャンプ読者は70%ほどだろうと思っていたので、案外みんなワンピースを読んでいるわけではないみたいだ。
だからジャンプ読者なのにワンピースを読んでいなくても恥じることはないぞ、みんなで一緒に頑張っていこうな。オレもがんばる。
で、二つ目のアンケート。「ワンピースを読んでいて、どのくらい話を把握できているのか」連載22年、既刊92巻+単行本未収録分をあなたはきちっとゼンブ把握できているのかという調査だ。
まあ、読んでいないヤツが言う台詞ではないだろうけど、普通覚えてるわけ無いよね、そんな情報量。本当に覚えてるんだったらその脳みその記憶力を少しでもいいから分けてくれないだろうか。頼むよ。
【アンケート②】
— スズキ (@suzuki_chan64) 2019年6月4日
『ONE PIECE』を読んでいる方に質問します
あなたは作品の内容をどの位把握していますか?
アンケート①で読んでいないと答えた方は回答しないでください
投票数は41票。おうい、最初のアンケートで「全話読んでいる人」の人数と数が合わないんじゃないか。どういうことだ、おいっ。いやまあTwitterの仕様上仕方ないものではあるんだけどね。いっぺんに二つのアンケートを同時に受けさせられないから。
というわけで63%が内容を大まかに把握していて、20%が全体の内容を完璧に把握し、残りの17%が正直言って何が何だかわからねえよおれ、という状態だとわかりました。17%の人たち、正直だねえ。いや、別に他の選択肢を選んだ人が正直じゃないって言っているわけではないよ。嘘じゃねえだ、信じてくんろ。
さて、ひとつめのアンケートでワンピースを全話読んでいる人が全体の45%、そのなかで話の内容を完璧に把握している人は20%、このふたつをまとめると45かける0,20で9になるので、ジャンプ読者のうち、ワンピース博士は9%ということになる。いや、二つ目のアンケートの投票数が少ないんで、もう少し博士はいるのかもしれないけど。
とりあえずジャンプと漫画界の未来のためによろしくお願いしますよ、博士。何をだよ。
結論
ワンピースを読んでいるジャンプ読者はだいたい全体の半数よりすこし少な目
そして話を全て把握している人は9%程度(スズキ調べ)
アナ雪の『とびら開けて』から学ぶ男の良し悪しの判断力
はじめに
先日、久しぶりにアナと雪の女王、略してアナ雪を観た。どのくらい久しぶりかというと、前に観たのが映画館で観た時なのでめちゃくちゃ昔である。今調べたら5年前だと判った。うおお、もうそんなに時間が経っているのですかい。てっきり2,3年くらい前だと思っていた。おじさん信じられないだよ。
というわけで約5年ぶりにアナ雪を観た訳だが、これがまあ予想の5倍くらい面白くてぶったまげてしまった。前に映画館で観た時も「いやあ、面白い映画だなあ。こりゃ売れるだろうなあ」と思っていたのだが(まだその頃はブームになってなかったと思う)、改めて観てみて「うわお、こんなに面白い映画だったか!?」となってしまった。
今年の冬に続編が公開されるらしいが、その初報を聞いたとき「え~、続編なんてやらなくっていいじゃんかよ」と思っていたが、今回観たお陰で「た、頼む。は、早く続きをくれい」となっている。まるで砂漠を彷徨い続けて、ようやくオアシスを発見した冒険家みたいだ。今から公開が非常に楽しみだ。
本題
さて、この映画の何が良いって、単純明快で判りやすいストーリーもだし、当時最先端のCGが生んだ映像美にも驚いてしまうが、やっぱり一番重要な要素は曲だと思う。
映画が公開していた頃はみんなこの映画の曲を歌っていた。ユーチューブでカラオケを歌ってたり、あるいは口パクをしている人たちの動画をテレビがしょっちゅう特集していた記憶がある。カラオケはともかく、口パクまでも流行るというのは、今思えば中々異常だと思う。
しかしだ、しかしだね。み~んな楽しそうに映画の曲を歌っているがね、その曲の中にはだな、世にも恐ろしい真実が隠されているのだ。あ~恐ろしい。
その問題の曲は映画の序盤に流れる『とびら開けて』という曲だ。原題は"Love is an open door"で、直訳すれば、愛は開けられた扉という意味だ。
公開当時はこの曲をカップルが口パクで歌っている、いや、口パクを歌っているの範疇に入れていいのか甚だ疑問ではあるのだけれど、口パクしている動画が非常に流行ったらしい。めざましテレビのココ調でやってた。まだ伊野尾くんが木曜のレギュラーになる前の話だ。確かまだ三宅さんも出てなかった頃だったと思う。いや、出てたっけ、ううむ。どっちだったかしら。大塚さんはもう降板してたかなって、なんでオレはめざましテレビのキャスターの話をしとるんだ。アナ雪の話をしたまえ。
話を戻す。あっ、ここから先、映画の重大なネタバレをするんでまだ観てない人は気をつけてください。
はい、ネタバレゾーン入ります。映画を観た人は知っているだろうけど、序盤で主人公のアナが戴冠式の日に城の外へ飛び出して『生まれてはじめて』を歌いながらはしゃいでいる時に、彼女はサザンアイルズ王国からやってきたハンス王子に出会って、彼に一目惚れする。するとハンスの方もアナに気がある様で、そんな二人がイチャイチャしながら歌って踊る曲が『とびら開けて』。
その曲の最後の方でハンスはアナに結婚を申し込むのだが、実は彼はアナのことは別に好きではなかったのだ。本当の狙いはアレンデール王国の王女であるアナと結婚して、最終的に国を乗っ取るためだったのである。王女であるアナや、女王のエルサも近いうちに事故死に見せかけて暗殺するつもりだったらしい。恐ろしい。
ハンスの本性が明らかになるシーンは本当に驚いた。だって終盤に前フリも殆ど無しにいきなり明かされるんだもん。思わず映画館で「ウッソーっ!」って叫んでしまった。叫ぶな。上映中は静かにしなさい。だけどそのくらい驚いたのだ。
ただ、もしかしたらアナと結婚して一緒に暮らすうちに彼女への愛情が芽生えてしまい、暗殺計画を思い留まる可能性もあったんじゃないかとも思うが、まあ今はその話はよろしい。
で、そんな経緯があるもんだからアナとのデュエット曲である『とびら開けて』を聴き返すと、ちょっと意味深なニュアンスを感じる。
例えば曲の最初のほう、ずっと孤独だったアナが恋をして「どこにも出口のない日々が突然に変わりそう」と歌って、それをハンスが「僕も同じことを考えてた。だって、どこにも居場所のない日々で探しつづけていた、こんな人を」と返す。映画を最後まで観ると、「こんな人」は自分と同じ境遇だったアナの事ではなく、玉の輿であるアナのことを指しているワケだったのである。ううむ、なんて悪いヤツだ。
更に映画の映像と合わせてみると、「こんな人を」のところでハンスはアレンデール王国の夜景のほうを向いているのだ。歌いながらこの王国を手に入れたと思い、「遂に俺にも居場所を見つけたぞ、ぐへへ」と内心ほくそ笑んでいたのだろう。気が早いって。捕らぬ狸の皮算用の良い見本じゃないか。
とまあ日本語の歌詞だとそんな解釈ができるのだが、実はオリジナルの英語版の歌詞だともっと意味深な箇所があるのだという。
この件に関して、僕も前々から風の噂で聞いてはいたので、今回鑑賞する時も英語版で観て、噂の真偽を確かめようとした。
しかしだね諸君、困ったことに僕は英語が大の苦手なのである。従って曲が流れているシーンでも英語で歌っている意味を耳だけで全然理解できず、字幕で追いながら「いやぁ~いい曲だなあ」とただぼんやりと聴いていただけだったのである。何やってんだよ。
仕方ないので鑑賞後、インターネットの海を漂った。で、どうもその噂は本当だったらしい。以下は色々なサイトから集めた情報を僕なりに纏めてみたものだ。
さて、日本語の歌詞で
ハンス「教えてよ」
アナ「え?」
ハンス「何が好きか」
アナ「サンドイッチ!」
ハンス「僕と同じじゃないか!」
と歌っている所がある。英語版だとここに秘密が隠されているらしい。
じゃあこの箇所が英語だとどうなっているのかというと、こんな感じになっている。
ハンス「I mean it's crazy...」
アナ「What?」
ハンス「We finish each other's...」
アナ「Sandwichies!」
ハンス「That's what I was gonna say!」
どうだ。いや、どうだと言われたって困るだろう。ちゃんと解説をしなさいよ。はーい。
だけどまあ英語のスクリプトを見て「あれ、日本語の歌詞と全然違うくない?」と薄々感じると思う。最初の二文は「僕はおかしいと思うけど……」「なに?」と言った感じに訳せる。多分合ってるはず。というかこの程度の文で間違ってたら恥ずかしいぞ。
で、問題なのは三文目から。「We finish each other's...」を直訳すると「僕達はお互い終わったんだ……」となるが、歌の内容からしてどう考えたって歌詞がそうなるのはおかしい。これじゃ別れ話の歌じゃないか。
どうもハンスがこの部分を歌っている途中に、アナが「サンドイッチ!」と遮ったようだが、全く意味が分からない。なんで別れ話の途中でサンドイッチが出てくるんだよ。
とりあえず「We finish each other's...」の意味について。本当はさっきの文に「sentences」という単語が続いて、「We finish each other's sentences.」という慣用句になるはずだったのだ。直訳すると「お互いに言葉が合う」、これだと少し変な文章なので、意訳すると「お互いに気が合う」という意味になる。つまりハンスは「僕たち、お互いに……」と言いかけていたわけだ。
じゃあなんでアナの返しがサンドイッチになるんだよ、となるが、どうも彼女は「sentences」を「Sandwiches」と言い間違えてしまったのだ。つまり
ハンス「僕たちお互いに……」
アナ「気が合う!」
となるはずが
ハンス「僕たちお互いに……」
アナ「サンドイッチ!」
となってしまったということだ。ううむ、日本語にすると不可解極まりないな。いや、もとの英語でだって、だいーぶ不可解だと思うけども。スウェテンシーズとスゥワンディッチーズ、ううむ。言い間違えるかしら。なんかアメリカのドラマのパロディらしいけど、よく判んないです。
と、こうやって訳してみると、最後のハンスの「That's what I was gonna say!」、つまり「今僕も同じことを言おうとしていたんだ!」でツッコミどころが生まれる。おい、ハンス、オマエ、ちゃんと話聞いてたんかいっ。
ううむ、ハンス、なんだか彼女や奥さんがする話をマジメに聞かずに「うん、うん」と適当に相槌を打って返している男みたいだな。ここでしっかりした女の人なら「ねえ、ちゃんとわたしの話を聞いているの!?」と問い詰めるところなのだけれど、世間知らずな恋する乙女アナはそんなこと気にもせず、とっとと次の歌詞を歌ってしまう。大丈夫かこの子。
とまあアナはともかく、英語で観ている観客は「おい、なんかコイツ怪しいぞ」とハンスに疑いの目を向けるわけだが、残念ながら日本語でキャラの口パクに合わせながらそんな表現をするのはめちゃくちゃムズカシイ、というか無理なので日本語の歌詞はあんな感じになっているのですよん。たぶん。
じゃあよくよく考えてみれば、アナのサンドイッチ好き設定は日本語版限定の設定なのか。いや、元からサンドイッチが好きな設定なのかもしれないけど。
とりあえず世の女性のみなさん、話をマジメに聞いてくれない彼氏や旦那さんはハンスみたいに自分の財産や命を狙っていると警戒しといてくださいね。そういう話だったか?
あとこの曲の英語版にはもう一つ隠しネタがあって、日本語の「考えていること、感じていること」のあとに
ハンス「そう」
アナ「ほんと」
二人「似てるね」
と、なっているが、英語だと「Our mental synchoronization...Can have but one explanation.」で「私たち(僕たち)の心は通じ合ってる。説明はひとつだけ」と始まって
ハンス「You...」訳「君と」
アナ「And I...」訳「私は」
(中略)
二人「一緒になる運命なんだ!」
という歌詞になる。ちなみになんで途中略したかってえと、略したところを訳しにくかったからです。これがオレの英語力の限界なのだよ。
つまりこの歌の中では、「ハンスとアナ」という意味じゃなくて、「You and I」で「アナ」だけしか示されていないということなのである。だってハンスは「僕と」なんて言ってないもんね。つまりハンスはアナと結ばれるつもりは無い、いやまあ結婚はするんだろうけど、心は結ばない、という解釈になるというわけだ。恐ろしい。
えっ、そんな恐ろしくない? いや、恐ろしいって言ってよ。
ね、ねえ。ねーってば。
結論
話をまじめに聞かない彼氏や亭主には気をつけろ